【2026年8月】身元保証サービスの公的調査と新ガイドライン――現場で知っておくべき3つのポイント
総務省の全国調査(2023年8月公表)と政府の事業者ガイドライン(2024年6月策定)により、身元保証等高齢者サポート事業の実態と課題が明らかになりました。契約時の重要事項説明や預託金管理など、利用者保護の方向性を整理します。
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総務省が2023年8月に公表した「身元保証等高齢者サポート事業における消費者保護の推進に関する調査」は、行政機関による初の全国調査として事業の実態を明らかにし、2024年6月には政府が9府省庁共管で「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を策定しました。
この記事で分かること
- 総務省調査が明らかにした身元保証サービス事業の実態と課題
- 2024年6月策定の政府ガイドラインの要点と事業者への要請内容
- 利用者・相談現場が押さえるべき契約時の確認ポイント
- 成年後見制度改正(2026年4月閣議決定)との関連
- 身元保証サービス利用時の相談先と支援体制
総務省調査が初めて示した事業の全体像
総務省は2023年8月7日、身元保証等高齢者サポート事業について、行政機関による事業者への実地調査を含めた全国調査を初めて実施し、結果を公表しました。調査では、ネット検索や聞き取りで把握できた412事業者をリストアップし、協力を得られた204事業者を対象に実施されました。
同事業は、身寄りのない高齢者が利用者であることが多く、本人の死後の事務を委任したりするなどサービス内容が多岐にわたり、かつ、契約内容が複雑で費用体系も明確ではないといった特徴から、消費者保護の必要性が高いものとなっています。現状では、事業者が提供するサービスについて直接規律・監督する法令・制度等はなく、監督官庁や事業者団体も存在しないため、利用者とのトラブルも発生していますが、対策が十分に講じられてきたとは言えない状況だと指摘されています。
契約の際に「重要事項説明書」を作成している事業者が21%にとどまるなど、明らかになった課題を報告し、契約手続きでは重要事項説明書の作成など公正な契約手順の確保、丁寧な説明、費用・料金内容の明確化、情報開示のルール化が必要だとしました。
2024年6月に策定された政府ガイドラインの意義
総務省調査を受けて、2024年6月11日に、政府は、「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を公表しました。業務の内容が民事法や社会保障関係法などに広くまたがることから、事業者が遵守すべき法律上の規定や留意すべき事項等を整理し、「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を策定されました。
少子化や家族の形の多様化などにより、頼れる家族がいない高齢者が増える中、家族からの支援を受けられず高齢者等終身サポート事業者を利用するケースがあり、利用者の安心等を確保してくことが必要という観点から、遵守すべき法律上の規定や、留意すべき事項等を整理して策定されました。
ガイドラインでは、高齢者等終身サポート事業においては、利用者本人の尊厳を守り、自己決定を支援することが重要であり、定期的に利用者と面談する等により、必要な情報や支援を提供し、利用者本人の意思や考えを引き出すなど、利用者本人の価値観や選好に基づく意思決定を行えるよう配慮することが重要だと明記されています。
利用者・相談現場が押さえるべき3つのポイント
1. 契約時の重要事項説明と書面交付
契約締結にあたって、事業者は、民法や消費者契約法に定められた民事ルールに従いつつ、契約内容の適正な説明(契約書・重要事項説明書を交付した説明)を行うことが重要とされています。サービス内容、費用体系、解約時の返金ルールなどが明確に示されているか確認が必要です。
2. 預託金管理と成年後見制度への移行
金銭管理では預託金管理方法のルール化、成年後見制度への円滑な移行、解約時の返金ルールの明確化、寄付・遺贈における本人の自由な意思の尊重と判断能力の確認を求めました。寄附・遺贈については、契約条件にすることは避けることが重要であり、遺贈を受ける場合も公正証書遺言によることが望ましいとされています。
3. 成年後見制度改正との関連
2026年4月、政府は、成年後見制度の抜本的な改正案を閣議決定しました。改正案では、家庭裁判所が制度利用の必要がなくなったと認めた場合に補助開始の審判を取り消して制度を終了できるよう改められます。身元保証サービスと成年後見制度の役割分担や連携が、今後さらに重要になります。
身元保証サービスを検討する際の相談体制
高齢者等に対して身元保証や死後事務、日常生活支援等を行ういわゆる「高齢者等終身サポート事業」(高齢者サポートサービス)を利用するに当たっては、サービス内容、ご自身の支払能力などについて、ポイント集も参考に確認していただき、不安がある場合は消費生活センターや地域包括支援センターに相談しましょう。
当団体では、身元保証サービスの利用を検討されている方、すでに契約されている方からのご相談に対応しています。契約内容の確認、事業者選びのポイント、成年後見制度や地域の支援制度との組み合わせなど、個別の状況に応じた情報提供を行っています。ガイドラインに沿った適切な事業者選択と、ご本人の意思を尊重した支援計画の作成をサポートいたします。
身元保証や終活に関するご不安は、一人で抱え込まず、まずは専門の相談窓口にお問い合わせください。