任意後見人では身元保証ができない|居宅ケアマネからの解決事例
夫婦の施設入居にあたり、任意後見人は連帯保証・医療同意ができないため、身元保証と生活支援を別途整えた居宅ケアマネ連携の解決事例です。
身元保証 /
任意後見契約があっても、施設入居に必要な連帯保証や医療同意まではカバーできません。 この解決事例は、居宅介護支援事業所のケアマネジャーからの相談を起点に、後見人の役割と身元保証の役割を分けて整えたケースです。
この事例で分かること
- 任意後見人と身元保証人の役割の違い
- 施設入居時に「保証」と「生活支援」が同時に必要になる場面
- ケアマネ同席のもとで契約・入居準備を進める流れ
相談内容
自立のご主人と、軽度認知症のある奥様のご夫婦です。ご主人は司法書士と任意後見契約を結んでいましたが、施設入居を検討したところ、「連帯保証はできないので、身元保証人を別途探してほしい」と司法書士から案内がありました。
子どもはおらず、ご主人の兄弟姉妹はご健在でも高齢のため頼れません。持ち家(戸建て)にお住まいでした。相談の起点は、居宅介護支援事業所のケアマネジャーです。
ご本人の状況(概要)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 夫87歳/妻90歳 |
| 介護認定 | 夫:自立/妻:要介護4(軽度認知症あり) |
| 病歴 | 妻:胃がん、大腸ポリープ切除 |
| ADL | 自立 |
| 経済状況 | 年金 |
| 本人の意向 | 施設入居のための身元保証。入居に伴う引越し手配・不用品廃棄も依頼したい |
※遺言書・不動産売却・死後事務委任は、任意後見契約をした司法書士が担う前提でした。
課題
- 任意後見人では連帯保証・医療同意ができない
- 施設入居に必要な身元保証人がいない
- 入居に伴う家財搬入・不要品廃棄などの実務が進まない
対応内容
- ケアマネ同席で自宅訪問・ヒアリング
状況と希望を整理しました。
- 役割分担の説明と契約
後見人の役割と、終活コンシェルジュが担う身元保証人の役割を説明し、ご納得のうえでご夫婦ともに身元保証契約を締結しました。
- 入居準備の生活支援
入居に必要な物品購入、入居先への家財搬入、自宅に残った不要品廃棄を手配しました。
- 入居後の事前指示書作成
施設看護師立会いのもと、終末期医療に関する事前指示書(リビングウィル)を作成し、施設医と共有しました。
- 継続支援
毎月の定期訪問を実施し、支援を継続しています。
後見人にはできない「連帯保証」「医療同意」と、ご入居に伴う生活支援を、終活コンシェルジュ側で担う形です。
結果
- ご夫婦の身元保証契約を締結できた
- 施設入居に必要な実務(搬入・廃棄・事前指示書)まで進められた
- 後見と身元保証の役割分担が関係者に共有できた
ポイント
- 将来スタートする「後見人の役割」と、いま必要な「身元保証人の役割」を丁寧に分ける
- 身元保証側の主な役割例:緊急連絡先、連帯保証、入退院・入退所の事務代行、必要物品の準備、医療行為の同意、退院前カンファ/ケアプラン説明への同席、ご遺体・遺品の引取り
- 成年後見側の主な役割例:財産管理、本人に代わる契約・支払い(連帯保証・医療同意は担えない)
- 月1回の定期訪問による安否確認