終活とは?理想の最期のために10のやることリストと3つの注意点

終活とは、自分自身が死を意識して、人生の最期を迎えるための様々な準備を行うことです。しかし、死と向き合うことは誰にとっても難しいものであり、その準備をすることは敬遠されがちです。

このページでは、終活の必要性や準備リストを紹介することで、終活について理解を深め、スムーズに準備を進めるためのヒントを提供しています。また、終活を通じて自分自身が何を大切にしているかを再確認し、より豊かな人生を送るためのヒントも提供しています。

読むことで、終活についての理解を深め、自分自身や家族のために必要な準備を進めることができるでしょう

目次

終活とは

「終活」とは、2010年前後から広く知られるようになった略語で、「自らの死を意識して、人生の最期を迎えるための様々な準備を行うこと」を意味します。

具体的には、身の回りの整理や葬儀、墓の準備、円滑な相続のための遺言書作成などが挙げられ、これらの活動、すべてをまとめて「終活」と呼ばれます。

また、終活には「自分自身が死に向かっていく過程で、自分が何を大切にしているかを再確認し、より豊かな人生を送るための行動」も含まれます。

終活は、周囲の人に迷惑をかけないようにするための行動として考えられることがよくありますが、それだけではなく、「より今を大切に・より自分を大切にするための人生を送るための行動」こそが、本来の「終活」の意義であると言えます

終活に必要なやること10の準備リスト

では、終活では何をすれば良いのでしょうか。終活を進めるために、以下に終活に必要な10の準備リストを紹介します。

  1. エンディングノート(終活ノート)を作成する
  2. 財産を見直す・老後資金の計画をする
  3. 遺言書を作成する
  4. 断捨離・身辺整理をする
  5. デジタル終活する
  6. 住まいについて考える
  7. 医療・介護の希望を決める
  8. 葬式・お墓の希望を決める
  9. 友人リストを作成する
  10. 人生でやり残したことに取り組む

それぞれについて説明していきます。

1. エンディングノート(終活ノート)を作成する

まず取り組むのは「エンディングノート」を作成することです。

エンディングノートとは、終活に関して自分自身の考えや希望などを残すためのノートです。「終活ノート」と呼ばれることもあります。

具体的には、財産分与や葬儀の希望など、自分が死後にどうなってほしいかなどを記述します

エンディングノートを作成することで、自分自身が死に向かっていく過程で大切にしていることを再確認できる上、遺族に混乱を避けるための指針を提供することができます。

エンディングノートを作成することは、自分や家族のために大切な終活の準備の一つです。

2. 財産を見直す・老後資金の計画をする

続いて終活の中でやるべきことは、今持っている財産がどのようなものでどの程度あるかを把握することです。

そして、ただ把握するだけでなく、残された老後の生活資金に余裕があるかどうかも同時に確認しましょう

もし今後の生活資金に余裕があるようであれば、生活を豊かにするものや経験にお金を使うことを検討できます。旅行の計画や、新たな便利な家電や家具の購入、息子娘や孫へのプレゼントなどができるかもしれません。

反対に、生活資金に余裕がなさそうであれば、保険の見直しや、今持っているもの(家や車、貴重品)の売却や整理も視野に入れた方が良いかもしれません。

財産整理と老後資金の準備、これらは誰にとっても早いうちからスタートすべきもので、終活においては外せないものです。

3. 遺言書を作成する

次に紹介するのは、遺言書の作成です。これは、相続に関して重要なものです。

「遺言」とは、自分が亡くなった後に残したい意思や財産についての意思表示のことで、それを記載した法的な文書のことを「遺言書」と言います。

「誰に対して何の財産をどれだけ相続させるか」を「法的に」指定するのが遺言・遺言書です。

エンディングノートで記載した情報は法的効力なく、遺産分割に自身の意思を反映させたい場合は、必ず遺言書の作成をしましょう

また、遺言書を作成することは、遺族に迷惑をかけずに、スムーズに遺産分割を進めるために不可欠なものでもあります。

4. 断捨離・身辺整理をする

「終活」と聞いて真っ先に思い浮かぶものの一つが「断捨離」ではないでしょうか。これも当然、終活の中でやるべきことの一つです。

ものを多く残したまま亡くなると、遺された遺族は遺品整理で苦労します。必要なものだけを残し、身辺整理をしましょう。

また、断捨離を通じて、自分自身が何を大切にしているかを再確認することができるでしょう。

5. デジタル終活する

デジタル終活とは、自身の死後に、自分のデジタル遺産をどのように扱うかについて考えることです。断捨離と共に、デジタル終活も行いましょう。

具体的にすべきことは、SNSアカウントやクラウドストレージに蓄積された情報の整理や相続人への譲渡などです。

デジタル終活は、今後ますます重要になっていく分野です。自分自身が利用しているデジタルサービスについて、早めに整理しておくことをおすすめします。

6. 住まいについて考える

自宅をどうするかは終活において非常に重要なポイントです。

自宅に住み続けるのか、もしくは介護施設や老人ホームに移ることが必要なのかといったことを考えます。自宅に住み続ける場合、リフォームが必要になる場合もあるでしょう。

また、物件を売却し、現金化することも選択肢の一つです。

どのような選択肢を選ぶかは、人それぞれ異なりますが、望む最期を迎えるためには、早めに考えることが重要です。

7. 医療・介護の希望を決める

自分が病気や老齢になった場合、どのような医療や介護を受けたいかを明確にすることは、終活の中で行いたいことの一つです。

もし自分の意思を伝えられない状態になった場合を想定して、「こんな治療を受けたい」「こんな介護を受けたい」「こんな最期を過ごしたい」と希望を出します。

そして、家族や医療サービスの提供者とその内容を共有することを忘れずにしましょう。

8. 葬式・お墓の希望を決める

葬儀やお墓に関する希望を明確にすることは、自分の最期の別れを自分が望む形で行うために非常に重要です。

たとえば、自分がどのような葬式を希望し、どのような形で弔問を受け入れたいかを事前に伝えることができます。また、自分の骨をどのように扱いたいか、どこのお墓に納骨してほしいかを明確にしておくこともできます。

これらの希望を事前に伝えておくことで、家族や友人があなたの希望にそって最後の別れを行うことができ、あなたの意志を尊重することができます。

9. 友人リストを作成する

自分の訃報を伝えてほしい友人・知人を洗い出しておくことも、終活の中でやっておきたいことの一つです。

連絡をとってほしい人をリストアップしておくことで、残された家族はスムーズに訃報を伝えることができます。

また、ただ友人リストを作成するだけでなく、特に大切に思う友人と思い出を共有する時間を設けることで、友人たちの絆をさらに深めることができます

終活は、人生の最後のステージであることを忘れず、大切な人々との時間を大切にしましょう。

10. 人生でやり残したことに取り組む

最後に、人生においてやり残したことに向き合うことも終活の一環として重要です。

自分自身の人生に後悔が残らないようにするために、積極的に自分の挑戦したいことに取り組むことが必要です

新しい趣味を見つけること、遠くの場所へ旅行すること、長年の友人との交流を深めること、家族との時間を大切にすることなど、自分自身の人生にとって意義のある活動を見つけてみてください。

それに加えて、自分の人生について考える時間を持ち、自分自身や周りの人々に感謝することも大切です。

終活をすることのメリット

終活を行うことにはさまざまなメリットがあります。

これらのメリットを知ることで、終活の重要性を理解し、自分自身や家族のために積極的に始めることができます。

自分自身の意思を尊重できる

終活は自分自身の意思を尊重することができる大切なプロセスです。

葬儀や遺産の分配など、自分が望む形で最期を迎えるために重要な意思決定を行うことができるからです。

遺族に混乱を避けるためにも、事前に自分の意思を明確にしておくことは非常に有益です。

遺族に負担をかけない

終活をすることで、遺族にかける負担を減らすことができます。

亡くなった後の葬儀や相続手続きには多くの手続きが必要ですが、終活を通じてこれらの準備を整えておくことで、遺族が追加の負担を受ける可能性を軽減できます。

家族とのコミュニケーションが深まる

終活は家族とのコミュニケーションを深める機会となります。

自分自身がどのような葬儀を望んでいるかや、遺産の希望などについて家族と話し合うことで、信頼関係が深まることがあります。

家族と共に準備を進めることで、大切な人々との絆を強化することができます。

自分自身の人生について考える機会になる

終活は自分自身の人生について考える貴重な機会です。

これまでの人生で何を大切にしてきたか、どのような人生を送ってきたかを振り返ることで、自己理解が深まります。

これらの考えを元に、残りの人生をより充実させるための新たな行動につなげることができます。

終活を始めるのは何歳から?最適なタイミング

終活を始めるタイミングについて、一般的には「早すぎることはない」と言われています。

つまり、年齢や健康状態に関係なく、終活を始めることが望ましいです

なぜなら、終活は自分自身や家族のためになることが多く、事前の準備が整っていることで、いざという時に迅速に対応できるからです。

最近では、20代や30代の方でも終活について考えている方も多くいらっしゃいます。

終活のメリットを理解し、今すぐ始めてみてはいかがでしょうか。終活を通じて、より豊かな人生を歩んでいきましょう。

終活をする上での3つの注意点

終活を進める際には、いくつかの重要な注意点があります。これらの注意点を把握し、終活をより効果的に進めることが大切です。

  1. 自分ひとりだけで終活の準備を進めない
  2. 優先順位が高いものから対応する
  3. 必要に応じて専門家に相談する

1. 自分ひとりだけで終活の準備を進めない

終活は自分自身が望む最期を迎えるための準備であり、家族とのコミュニケーションが重要です。

自分ひとりだけで進めると、家族との意見が食い違うことや、トラブルに巻き込まれる可能性があります。

自分の希望を明確にすることも大切ですが、家族との話し合いを欠かさずに進めることが望ましいです。

2. 優先順位が高いものから対応する

終活を進める上で優先順位を考慮することが重要です。

医療関係の準備や遺言書の作成などは、体力が必要で時間がかかるものであり、早めに取り組む必要があります。一方で、自分自身の趣味や思い出の整理などは、優先順位が低いと言えます。

自分の望む最期の状態をイメージし、必要な準備を優先的に進めることが効果的です。

また、先ほど説明した、家族との話し合いも欠かさずに行うことで、家族が何を求めているのか知ることができ、優先順位を決める際に役立ちます

3. 必要に応じて専門家に相談する

終活にはさまざまな情報が存在し、多くの場面で専門的な知識が必要となります。

そこで、弁護士や税理士、相続アドバイザーなどの専門家に相談することで、より適切な終活プランを立てられるようになります

具体的には、法的なリスクを避けながら遺言書を作成したり、相続税の節税方法を知ったり、家族間のトラブルを回避するアドバイスを受けることができます。

終活は、人生の最後の大切な時期に向けての準備です。専門家に相談することで、より効果的な終活ができるようになり、安心して人生の最後を迎えることができます。

老後の生活を支える契約

  • 見守り契約
  • 死後事務委任契約

見守り契約

「見守り契約」とは、高齢者が一人暮らしをしている場合や認知症などの病気がある場合、専門の見守りサービスを受けるために締結する契約です。

見守りサービスは、定期的に生活や健康状態をチェックし、問題があった場合には適切な対応をします。訪問看護師や介護士が定期的に訪問し、健康状態や食事、排泄などのチェックを行います。

また、緊急時には、遠隔地からも見守りサービスを受けることができます。

見守り契約を締結することで、安心して自宅で暮らすことができます。

死後事務委任契約

「死後事務委任契約」とは、亡くなった場合の手続きをあらかじめ指定した人に任せる契約です。

指定された人が、役所への手続きや病院・介護施設への支払い手続きを行い、遺族に負担をかけないようにします。

死後事務委任契約を締結することで、遺族に迷惑をかけずに、自分自身の思い通りの最期を迎えることができます。

まとめ

終活は、自分自身や家族にとって大切な準備です。

エンディングノートや遺言書を作成することで、自分自身が死後に残したいことを明確にし、遺族が追加の負担をかけられることを避けることができます。また、終活をすることで、家族とのコミュニケーションが深まることもあります。

人生の最後の大切な時期に向けて、終活を始めましょう。自分自身が望む最期を迎えるために、今日からできることを始めてみてください。