エンディングノートと遺言書の違い|適切な遺志を残すためのポイント

エンディングノートと遺言書の違い|適切な遺志を残すためのポイント

このページでは、エンディングノートと遺言書の違いについて詳しく解説しています。それぞれが持つ目的とともに具体的な違いに言及しています。

このページを読むことで、エンディングノートと遺言書の役割や目的が明確になり、最期の時に必要な文書を作成するための知識を得ることができます。

エンディングノートと遺言書の役割

まずはエンディングノートと遺言書がそれぞれどのような役割を担っているのか、なぜ作成するのかについて確認しましょう。

エンディングノートの役割と目的

エンディングノートは、個人の最期に関わる重要な情報をまとめた文書です。

医療に対する希望や葬儀のスタイル、家族や友人の連絡先など、終末期・死後に必要となる情報を遺したいときに利用されます。

エンディングノートは、法的な拘束力はありませんが、家族に対して大切な情報を伝える役割を果たします。

最期の思いや遺志を記しておくことで、家族に対する感謝の気持ちや未来へのメッセージを残すことができるものです。

遺言書の役割と目的

一方、遺言書は、人が死後に残す重要な文書であり、遺産分割、後見人の指定など、個人の遺志を明確に示すことを目的としたものです。

文書として残された遺言書は法的な効力を持ち、遺産に関する事項や後見人の指名などを適切に記載することで、遺産分割に関する争いを未然に防ぐ役割を果たします。

遺言書が適切に作成されていれば、遺産相続に関する問題をスムーズに解決し、家族の紛争(争続)を防ぐことができるでしょう。

エンディングノートと遺言書の違い

続いて、具体的なエンディングノートと遺言書の違いについて説明していきます。

  • 法的効力の有無
  • 記載内容
  • 書き方
  • 費用

法的効力の有無|エンディングノートに法的効力はない

遺言書は法的効力がありますが、エンディングノートには法的効力がありません。

遺言書は法律上の文書であり、遺言書に記載されている内容は原則、法律によって強制されます。

一方、エンディングノートは法的な拘束力を持ちません。

つまり、エンディングノートに記されたものは原則、法律によって強制されることはありませんし、家族や関係者によって必ず実行されるわけではありません

記載内容|エンディングノートは自由に何でも書ける

法的効力の違いから、エンディングノートと遺言書に記載される内容も大きく異なります。

エンディングノートの記載内容は比較的自由となっています。

個人の最期に関連する情報が一般的で、具体的には、自身の医療処置や葬儀の希望、家族へのメッセージなど、感情や人間関係に関する情報が記載されます。

また、エンディングノートは感謝の気持ちや愛情、未来への思いを伝える場としても活用されます。

一方で、遺言書の記載内容は、具体的な遺産の相続人や遺産分割の内容など、法的な事項が中心です。

遺産に関する明確な指示を残すことで、遺産相続における問題を未然に防ぐ役割があるためです。

書き方|エンディングノートは自由形式で

書き方や形式もエンディングノートと遺言書の間では大きな違いがあります。

エンディングノートは自由な形式で書くことができます。

手書きでもパソコンを使ってでも作成可能で、形式に縛られずに心のこもったメッセージを残すことができます。

一方で、遺言書は決められた形式があり、それに沿った形でなければなりません

例えば、自筆でなければならない、本人の署名捺印がなければならない、書いた日付を記載しなければならないといったルールがあります。

決められたルール以外の書き方で作成された遺言は法的効力を持たず無効となってしまう可能性があるので、書き方には注意が必要です。

具体的に遺言書にどういう形式が求められるのか、どのようなケースが無効になるのか確認したい方は以下の記事をご覧ください。

費用|エンディングノートの費用負担はほぼナシ

エンディングノートの作成にはほとんど費用がかかりません。

自分で手書きやパソコンを使って作成することができるため、特別な費用は必要ありません。市販されているエンディングノートや一般的なノートの購入費程度で済みます。

一方で、遺言書を作成するには費用がかかることがあります

遺言書の方法には、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。

自筆証書遺言であれば、作成自体にほとんど費用はかかりませんが、公正証書遺言であれば数万円かかります

エンディングノートと遺言書を組み合わせることのメリット

エンディングノートと遺言書を組み合わせることで、家族に対して法的な遺志と共に、最愛のメッセージを伝えることができます。

エンディングノートは、感情や希望を家族に伝えることができるため、家族の理解と絆をより深めることができます。

遺言書は法的な効力を持ち、遺産の取り扱いや後見人の指定など、重要な法的な事項を遺したいときに活用されます。

適切な文書作成と組み合わせにより、最期の時をより安心して迎えることができるでしょう。

家族が遺志を尊重し、大切な思い出を共有できるようなエンディングノートと遺言書の組み合わせを検討してみてください。

まとめ

このページでは、エンディングノートと遺言書の違いについて解説しました。

エンディングノートは個人の最期に関わる重要な情報をまとめた文書であり、家族や友人に対する感謝の気持ちや未来へのメッセージを残すために利用されます。

一方、遺言書は法的に効力があり、遺産分割や後見人の指定など、個人の遺志を明確に示すことを目的としています。

適切に作成されたエンディングノートと遺言書を組み合わせることで、家族が遺志を尊重し、大切な思い出を共有することができるでしょう

エンディングノートと遺言書を作成することは、最期を迎える前に必要な準備の1つです。

ぜひ、このページを参考にして、自分自身や家族のためにも、文書作成に取り組んでみてください

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